拝志古墳群出土遺物
基本番号1000165
基礎データ
基本番号
1000165
番号
03-060-011
名称
拝志古墳群出土遺物
文化財
分類1
有形文化財
文化財
分類2
考古資料
地域資源
分類1
人文景観
地域資源
分類2
出土遺物
指定・登録
市指定
指定
年月日
2004/04/01
地区分類
見奈良
所在地
見奈良509-3
所有者
東温市
管理者
写真
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写真番号 29-1
撮影日 2011/01/26 -
写真番号 29-2
撮影日 2011/01/26 -
写真番号 29-3
撮影日 2011/01/26
位置図
愛媛県東温市見奈良509-3
概要
昭和31年(1956)10月、下林の伽藍(ガロ)の水田で発見された窯跡は昭和41年3月に森正史氏を中心に発掘調査が行われた。その結果、1号窯は奈良時代中期から平安時代初期にかけて操業していた「半地下式無段登窯」の遺構と、灰原の一部が確認された。窯の規模は、全長約9m、幅約1.3mで約20度の勾配をもっていた。灰原からは多種多様の須恵器と、下層から瓦が出土した。平成7年、このあたり一体のほ場整備に伴い窯跡の再発掘が行なわれ、新たに灰原から多くの遺物を採集した。その結果、この窯は須恵器と瓦を焼いた兼業窯であることも明らかになった。一種類出土した軒丸瓦は、直径14.8cm、中房径3.8cmの複弁四弁蓮華文というめずらしい形式で、松山市中ノ子廃寺で同笵瓦(同じ笵型と使って作ったもの)が出土し、松山市来住廃寺では同系統の瓦が確認されている。また、1号窯の灰原からは、須恵器坏、坏蓋、皿、壺、甕、盤、硯、土錘などが出土しているが、最も多いのが坏類である。その坏身の一点の底部裏側に「中」の字が細いヘラで刻まれていた。飛鳥時代から奈良・平安時代にかけての須恵器の中には、来住遺跡で出土した「久米評」刻字土器などのように、数は少ないが、ヘラ書きの文字のある例が見られる。その内容については様々で、作った人のサインか、納入先の略名か、窯印かそれぞれ検討しなければならない。軒丸瓦の同笵瓦が確認できたことは、この窯で作られた製品の流通範囲を知る手がかりが得られたが、また同時にこの「伽藍」の地名との関わり、つまり古代寺院の存在の可能性も考えなけばならない。
引用資料等
東温市の文化財(32ページ)